リード材の栽培や研究のことなど
「楽器と実験 ~自分で行う楽器の整備~」 長松正明
4.右回転と左回転の違いを調べる
リードや楽器を手入れするときや料理の混ぜ物、掃除をするときなどに、回転の動作をおこなっていると思います。
こういったときの右回転と左回転は働きとしては同じものなのか、違うのか、区別することに意味があるのかといったことを検討したいと思います。
そこで、まず水について調べてみることにします。
一口に水といってもいろいろなので塩素を含む水とこれを取り除いた水とで調べてみました。
次を確かめてみて下さい。
実験12 水を用いて回転方向の働きを調べる
一つの水として水道水を用います。これをA水と呼びます。
もう一つの水は浄水器を通した水道水で、これをB水と呼びます。
それぞれの水をコップに入れ、木の割り箸を用いて各10回右回し、左回しなどをおこない、その水にリードを浸して鳴り方の変化を捉えます。
以下に、それぞれを表にして示します。
水道水 A水(塩素を含む) |
浄水器を通した水道水 B水(塩素が取り除かれている) |
|
1 |
[回転ナシ] 鳴りにくい |
[回転ナシ] やや鳴りよい |
2 |
[右回転10回] さらに鳴りにくくなる |
[右回転10回] 1より鳴りよくなる |
3 |
[左回転10回] 1より鳴りよくなる |
[左回転10回] 1より鳴りにくくなる |
4 |
[左回転10回おこない右回転10回を加える] 1に近い鳴り方になる |
[左回転10回おこない右回転10回を加える] 1に近い鳴り方になる |
5 |
[4に右回転10回を追加する] やや鳴りよくなる |
[4に右回転10回を追加する] これまでで一番鳴りよくなる |
以上のように水によって結果が異なる場合が生じるという興味深い結果になりました。
A水は左回し10回で鳴りよくなりますが、さらに左回し10回を追加すると鳴りにくくなりました。
B水は左回しですぐに鳴りにくくなります。右回しは多数回やっても鳴りよい状態が続きます。
A水は左回し後多数回右回しすると鳴りよくなります。
最終的にはB水の右回し多数回が鳴りよくなりました。
A水とB水の違いはA水には塩素(毒物)が含まれており、左回転を少し加えることによりその毒性が表に現れにくくなったと思われます。
以上を仮説としてまとめます。以後回転を用いたとき、これに合っているかどうかチェックしてみて下さい。
回転の効果 右回し:活力の活性化、集積、放射、前進など 左回し:有害物の無効化、リセット、活力の損失、後退など ・通常右回しをメインとして用いるとよい ・有害物が含まれている(またはそのように思われる)場合は左回しを少し加えて右回しで仕上げるとよい |
ネジや切削工具は右回転が基本形になっています。これは右回転で進むというのが力の入り具合が大きいことによったと思われます。
左ネジは、回転体の取り付け―両頭グラインダーの左トイシ、自動車の右車輪において、ネジのゆるみ止め効果を得るためとか、左回しで前進するメカニズムが必要な場所で用いられます。
このように左回しと右回しと働きが違っているようですが、その理由はよくわかりません。宇宙の作りがそのようにできているためと思われます。
理由がどうであれ、よい効果、結果が得られればどんどん用いるのがよいと考えます。
以下に回転による効果が得られるもの(又はそう思われるもの)例として述べます。
・前項3。実験10のリードの裏側の効果。
・クロスなどで楽器を拭くとき、右回しで拭くほうが鳴りよくなります。
・木管で、特定の鳴りにくい音があったら、そのトーンホールまわりか、タンポカップを指で右回し3回程度で鳴りよくなります。ウォーミングアップ時に行っておくのもよいです。
・キーオイル、バルブオイルなどの鉱物油、合成油のものは、ボトルごと左回しを少しおこない右回し多数回おこなうと鳴りよくなります。
・缶入のスプレー式ラッカーがありますが、これも左回し10回、右回し20回で活力が高まります。なにもしないでスプレーした塗装より、そのようにしてから塗装した方が体にもよいと考えられます。塗装の塗り進めも右回しで進めるのがよいです。
・糊付けも同様になります。チェックしてみて下さい。
・この回転式のやり方は、タンポのシェラック付けに応用でき、かなり違いが生じ、音ヌケがスッキリとよくなります。タンポ皿を温め、シェラックを軽く当て左回し5回、右回し10回あたりがよいでしょう。
・日常生活において、ペットボトル入飲料水(炭酸入は除く)を右回しすると活力が高まります。
・その他、玉子を混ぜるとき、雑巾がけするとき、マッサージするとき、湯もみするときなど、左回転を加えたり加えなかったり、いろいろやってみるとよいでしょう。
回転を加えたときの効果の持続について述べますと、回転した跡が残るものは長く続くようです。
回転した跡が残らないものは持続が短いようですが、再回転でまた効果が現れます。
[参考図書]
『自然界における左と右』 マーティン・ガードナー
坪井忠二、藤井昭産、小島弘=訳(紀伊國屋書店)
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