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楽器と実験 ー自分で行う楽器の整備ー 長松正明

1.リードの材質の判定方法

はじめに

 よい演奏表現をするためには、高い演奏表現力を身につけることと、用いる楽器が本番演奏にふさわし高いレベルに整備されていることが重要となります。

 しかしながら現状では、その整備とはどういったものなのかもよく定まっておらず、どこかへその整備を依頼するのもむつかしい状況にあります。

 そこで、よりよい音をより確実に出せるようになることをめざし、関係があると思われることをこれまでとは異なる観点からも捉えて検討していきたいと思います。

 例えば、ある一つのテーマを定め、何が問題であるかを明らかにし、その答えをみつけて楽器の整備を向上させます。このとき多くの場合新しいやり方になるので実験で確認しながら進めることになります。また、得た知見の応用も試みるようにします。

 こういったことに多くの方に参加いただき、楽器の整備を進めながら情報の共有ができたらと思います。

 

1.リードの材質の判定方法

 よいリードは、よい材料をよい形に削り上げたものと捉えることができます。

 リード選びで、吹いて選ぶことが多いと思いますが、材料(材質)はよいのに形(厚さを含む)が合わないため使用できないと判断されることも多いと思います。

 これはもったいないことで、形を整えれれば使用できる可能性があります。

 またダブルリードの場合は、材料からリードを自作される場合が多いようですが、このとき、適格に材料を選びが行われれば、せっかく作ったリードが使用できないということが少なくなると思います。

 そして、本番でリードを用いることを考えてみると、リードの取り替えができない情況になるようですから、長持ちするリードを選んでおく必要があります。つまり材質がよいものほど長持ちするので、材質をよく見きわめておくことが大事ということです。

 そういったことがあるので、まずはじめは、リードの材質の判定方法について取り上げたいと思います。

 物体からはその物体独自の情報が周囲に放射されていますので、その情報を読み取ればよいとなります。

 これをリードで言うと、リードは後端から多くの情報が放射されています。

 また、楽器に取り付けられたリードから捉えると、リードの後端は、その情報をよく取り込みます。

 では、この確認の実験を行ってみることにします。

 

実験1

 楽器を吹きながら、別のリードの後端を、吹いているリードのあちらこちらに当ててみます。するとリードの後端に当てたときが一番よく反応することがわかります。

楽器と実験1-1.JPG

 

実験2

 では、別のリードの先、ヨコ、後、表、裏などどこを当てると反応が大きくでるかやってみます。

 先やヨコを当てたのではよく反応しません。後を当てたときが一番反応します。

 

実験3

 次に、これをリード選びに適用します。それぞれの楽器において、後端と後端を合わせるようにします。シングルリードはこのとおりできます。オーボエではチューブに取り付けられたリード材後端位置に完成リードの後端、あるいは丸材、割材の後端を当てます。

 ファゴットではリード後端にリード後端を引っ掛けるように当てたり、丸材、割材を当てます。

楽器と実験1-2.JPG

 

実験の材質判定は次のように行います。

 前述したようにリード後端にリードまたはリード材を当て、強めに吹きます。その時の鳴り方を捉えておきます。

 次に、次の調べたい材を同様に行い、鳴り方を較べます。

 これを次々に行うと、例えば音抜けがよくよく鳴る、音がつまる感じでよく鳴らない、その中間の三段階になります。

 そのよく鳴った感じはリードにしたときの感じに近くなりますので好ましく感じるかどうかで材料選別を行うとよいとなります。

 

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